ブライダルビデオで複数のカメラを使う意味
当ライブシネマでは、結婚式ビデオについて、スタッフ一人(カメラ一〜二台)の「ベーシック・コース」とスタッフ二人(カメラ二〜三台)の「プレミアム・コース」を設けておりますが、よく「カメラの台数でそんなに違うものなの?」という質問を受けることがあります。
正直な話、一台と二台ならば、はっきりと違いがあります。たとえ二台目が固定の無人カメラでも違いは出ます(ベーシック・コースでも、会場が許される限りは無人カメラを立てています)。
理由その1:より確実な仕事をお約束できる
ビデオカメラは、祝辞なり、花嫁の手紙なり、ひとつのイベントが始まってしまうと、最初から最後までミスなく撮り続けねばなりません。
これが写真なら、失敗しても、もう一度シャッターを押せばいいのです。 ところがビデオは、「全てがOKテイク」でなければなりません。 しかし世の中何が起きるか分からないもので、誰かがふいに前に立ったり、お酒を召した御陽気なゲストが触ってくる場合もあります。 そんなとき、もう一台カメラが回っていれば、そちらの映像を使うことができます。
理由その2:より適切なポジションから撮影できる
結婚披露宴のカメラのベストポジションは、常に変わります。
会場によっては新郎新婦の来賓用マイクが左右に分かれていたりして、新郎側主賓挨拶が終わると同時に、新婦側へと短時間のうちに移動…ということもままあります。 そんなとき、狭い会場でスタッフが大勢動いていたら、思ったようなポジションに移れないこともあります。 またスピーチされる方も、ひとによってずっと御客様を見ていたり、新郎新婦を見ていたりで、始まってから「あちらから撮っておけば良かった」ということもあります。 そんなときに二台回っていると、編集時に、より適切なアングルの映像を選ぶことができます。
理由その3:カメラが二台ある方が良い場面が多い
結婚式でも披露宴でも、カメラが二台あった方が良い場面は、皆さんが想像されるより多いものなのです。
結婚式の場合、キリスト教式でも、神前でも、お二人の真正面に陣取れないのはお分かりだと思います。 となると、新郎側、新婦側、どちらかの側面に行くことになりますが、そうすると、片方の表情が撮りたくても撮れない場合が出てくるのです。 披露宴では、祝辞や余興といったイベントの最中に、そのイベントの主役と新郎新婦の反応を同時に撮りたくなるものです。 そして、花嫁の手紙…このときは、花嫁と御両親を一緒に撮りたいですよね。となると、やはりカメラ二台で両方の表情を押さえておくのがベストなんです。そうすれば、互いの表情の一番いいときが、編集で選べるんです。 では、もし、同じ瞬間に、花嫁も、親御様も、最高の表情をされたら? これも大丈夫です。編集時に画面を分割して、一緒に見せれば、いいんです。こんなこと、カメラ一台では絶対に不可能ですよね?
理由その4:編集でメリハリのある作品にできる
画面に変化があると、イキイキとした印象になり、見ていて飽きないものです。そのために編集でメリハリをつけるわけですが、一台で撮った素材では限界があります。ところが、二台同時に回していると、ケーキカットをとっても、「ナイフを入れるお二人」→「ナイフのアップ」→「お二人の笑顔」という風につなげて、変化が出てくる場合もあるんです(これは一例で、毎回このようにいくわけではないですが)。
映像作品のプロとアマの違いは撮影もありますが、編集も大きいです。せっかくプロに頼むからには、そのメリットを十全に生かしたくはないですか?
まとめ
以上、カメラを二台、そしてカメラマンを二人、使う利点について、書いてみました。
最後に二つばかりつけ加えさせて下さい。 まず、ここでカメラマン二人の利点を強調したからといって、一人が良くないというわけじゃありません。 うちも、一人のベーシック・コースをやってますし、それは十分な責任感を持って、お客様に満足して頂くものを目指しています。いいかげんな二人のカメラマン以上の仕事はするという自負は持っております。保険用になるべく無人カメラを据えるようにもしております。ですから、今まで…そして、これからベーシック・コースを選択されるお客様には、御安心頂きたい。 その上で、プレミアム・コースにはそれなりの“意味”があるのだということを、納得頂きたいのです。 もうひとつ、この記事は、ベーシックよりプレミアムを選んで頂いた方が儲かる…などという商売上の意図のもとに書かれたものではありません。 価格表をご覧頂けば分かりますが、ベーシックとプレミアムには、25000から30000程度の差しかありません。人件費と、カメラが一台増えることによる編集の手間を考えると、これはかなり割に合わないのです(特に編集の手間の違いは大きいです。単純な話、カメラ一台増えると、編集用素材をパソコンに取り込む時間が倍、かかるのですからね)。 正直、ベーシックを選んで頂いた方が、経済的には、助かることは助かるのです。 結婚はお金がかかります。ほんのちょっとづつ贅沢を重ねていくと、あっという間に数十万…いや、数百万単位で差が出てきます。どうせお金を使うのなら、意味ある使い方を目指さねばならないでしょう。 そこで一般にはあまり知られていない「二台以上回す意味」について、解説致しました。 |